(2007年2月25日(日) 浜離宮朝日ホール)
2007年2月25日(日)、浜離宮朝日ホールにて「映画業界就職セミナー2007・春」を開催した。今回は前年秋のセミナーを上回る申込みをいただき、受付時間前にも拘わらず、会場の前は長蛇の列。受講者は緊張した様子で開場を待っていた。セミナーの冒頭に、キネマ旬報映画総合研究所所長・掛尾良夫より挨拶。「現在では映画の仕事は、劇場、ビデオ・DVDに関わるものだけでなく、携帯電話やインターネットにまで及んでいます。それだけ皆さんにチャンスが広がっているということです。本日は様々な講師の方にお話を伺いますので就職活動の参考にしてください!」と叱咤激励した。
1コマ目は2006年3月に設立されたAMGエンタテインメントの代表取締役社長 兼 アミューズメントメディア総合学院副理事長・杉原晃史氏による「多岐にわたる映画の仕事」。ギャガ・コミュニケーションズ時代に、多くの作品を買い付け、ワーナー・ブラザース時代には「ハリー・ポッター」、「マトリックス」シリーズと大ヒット作品に携わり、現在では邦画の製作も行っている同氏は、タイトル通り、多岐にわたる経験の持ち主だ。受講者がどんな職種に興味があるのか、コミュニケーションをとりながらの講義は見事なもので、特にカンヌ国際映画祭の買い付け話に会場が沸いた。

「角川ヘラルド映画(現・角川映画)・久保田哲司氏(左)、ポニーキャニオン・盛田洋氏(右)」(「映画業界人事部対談」)
2コマ目は、角川ヘラルド映画(現・角川映画)管理部 総務グループ長・久保田哲司氏とポニーキャニオンHR室 室長・盛田洋氏をお迎えして話を伺った「映画業界人事部対談:エントリーシート&面接の決め手ポイント」。初めに久保田氏が「リラックスして聞いてください」とニコニコ微笑みながら挨拶すると、緊張気味な会場の雰囲気も多少和んだ様子だった。新卒で入社してから現在の会社に20年以上在籍されているお二人に、面接する立場として、映画業界および自社にとって必要な人材について伺ったところ、盛田氏は「コミュニケーションがとれる人。またポニーキャニオンとして求められる人材はプロデューサーとしてクリエイターを支えられる人ですね」とコメント。一方、久保田氏は「自分が何をしたいのかきちんと意思を持ち、初志貫徹できる人ですね」と熱く語った。
3コマ目は日活・宣伝プロデューサー、東京国際ファンタスティック映画祭プログラミング・ディレクターの大場渉太氏司会による「映画業界若手座談会:私たちはこうして映画業界に入った」。アスミック・エース エンタテインメント映画宣伝グループ・遠藤久枝氏、ギャガ・コミュニケーションズ企画編成本部 国際部 海外版権グループ・中村梓氏、日活衛星メディア事業本部 営業部 営業一課・湯浅義明氏、そしてP2パブリシスト・遠藤賢太氏を講師としてお迎えし、各自の就職活動の話や仕事の内容について伺った。中途採用で入社したアスミック・エース エンタテインメントの遠藤氏とP2の遠藤氏に映画業界の入り方について尋ねると、アスミック・エース エンタテインメントの遠藤氏の場合は、2つの作文と2度の面接があり、その際「宣伝をするにあたって、媒体にこういわれたらどうしますか?」といった難しい質問もあったようだ。一方、P2遠藤氏の場合、いわゆる採用試験はなかったそうだが、社長に対してきちんと自分の意見を伝えたことが採用に繋がったと分析した。面接の形態は異なるが、両氏とも「宣伝」の仕事を意識した上で、きちんと自分の意見を伝えるという点で共通していた。
様々な職種の中でも特に受講生に人気の高い「買い付け」の仕事。新卒でギャガ・コミュニケーションズに入社して5年目の中村氏は「海外の映画祭などにも参加するので、一見華やかさそうに見えますが、本当は合宿のように大変なんです…」と本音をもらしつつも、「みなさん頑張ってください!」と爽やかにエールを贈った。

ビジネスの視点から映画を語るギャガ・コミュニケーションズ・丸茂日穂氏(「講義:映画業界に欲しい人材」)
最後の講義は、「映画業界に欲しい人材〜こういう人物が最終面接で残る〜」。2006年度アカデミー賞6部門にノミネートされた「バベル」他の予告編を流した後、ギャガ・コミュニケーションズ取締役副社長 兼 上級執行役員 兼 営業本部長・丸茂日穂氏が登壇した。現在、ギャガは親会社のUSENによる一括採用だが、ギャガ独自で採用をしていた頃、最終面接官を務めていた丸茂氏が、パワーポイントで映画ビジネスの流れを説明した上で、「欲しい人材は、特に常に客観的に自分を見ることが出来る人です。特に最終面接に残る人物は、コミュニケーション能力があって、様々な物事にアンテナを張っている人ですね」と述べると、受講生は真剣にメモをとる手を走らせた。

日活・湯浅義明氏を囲み、熱心に質問する受講生たち(交流パーティー)
全ての講義が終了すると、別途申込み者のみを対象に、別会場で交流パーティーが行われた。キャンセル待ちが続出する大人気のこのパーティーは、セミナーで登壇した講師へ直接話をする機会が持てる。食事をとる間も忘れるほど、熱心に講師を囲み話を聴く受講生たち。会の終了間際には「映画業界若手座談会」で使用された作品のポスタープレゼントのため、大場氏によるジャンケン大会も行われるなど、大変な盛り上がりをみせた。
当日のプログラムは以下の通り
講義:多岐にわたる映画の仕事
AMGエンタテインメント株式会社 代表取締役社長 兼
アミューズメントメディア総合学院 副理事長 杉原晃史氏
映画業界人事部対談:エントリーシート&面接の決め手ポイント
角川ヘラルド映画株式会社 管理部 総務グループ長 久保田哲司氏
株式会社ポニーキャニオン HR室 室長 盛田 洋氏
映画業界若手座談会:私たちはこうして映画業界に入った
日活株式会社 宣伝プロデューサー 兼
東京国際ファンタスティック映画祭プログラミング・ディレクター 司会:大場渉太氏
アスミック・エース エンタテインメント株式会社 映画宣伝グループ 遠藤久枝氏
株式会社ギャガ・コミュニケーションズ
企画編成本部 国際部 海外版権グループ 中村 梓氏
日活株式会社 衛星メディア事業本部 営業部 営業一課 湯浅義明氏
株式会社P2 パブリシスト 遠藤賢太氏
映画業界に欲しい人材:〜こういう人物が最終面接で残る〜
株式会社ギャガ・コミュニケーションズ
取締役副社長 兼 上級執行役員 兼 営業本部長 丸茂日穂氏




