キネマ旬報映画総合研究所
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映画興行対談
映画興行対談

第8回「かもめ食堂」

今後の劇場展開

掛尾:
 では、シネスイッチで大当たりしたこの映画を、どう広げていくのか。4週目の4月1日から、恵比寿ガーデンシネマに出て、4月8日から新宿は新宿文化、池袋はシネ・リーブル池袋に出ましたが、配給のメディアスーツもそう積極的に広げようとは考えていないようです。プリントも17本くらいでまわすとのこと。例えば、「父と暮せば」は岩波ホール1館で1億いった映画です。単館は、やはり広げないでそのままやったほうがいいのかと思いますが……。
大高:
 ちょっと説明しておかなくてはいけないのは、「かもめ食堂」はシネスイッチ銀座で4月28日までなんですよ。これは「かもめ食堂」が公開する前に、次の作品の公開日が決まってしまっているからです。だから「かもめ食堂」は、公開の前から公開の期間がある程度固まっていた。本来ならシネスイッチの超ロングランでいける映画なんだけども、そういう理由があって、恵比寿ガーデンシネマなどに拡大するという風になった。ただシネスイッチで3週で4800万ということは、あと4週あるわけだから、1億に達する可能性もないことはないですよね。
掛尾:
 今、単館も難しいところに来ていますよね。最近は、単館のトップランナーであるシネマライズでも、先行上映は2〜3週間で、そのあとは広がってします。つまり配給会社が高い仕込みで買ってきているから、アドバンテージでライズに先行で二週、あとは広げますよと。劇場としても良い作品をとるためには、その条件を受け入れざるを得ない時代になってきた。そうするとシネマライズをはじめとする単館の個性がなくなってくるわけですよ。そこが今のミニシアターの問題でもあると思います。だからかつての「ニュー・シネマ・パラダイス」とか「ベルリン天使の詩」のようなロングラン伝説が作れないんですね。
大高:
 「かもめ食堂」はおそらく製作費が、アート系の話題作の買い付け額より安いと思う。だから極力劇場を広げずに、固定した劇場でヒットした雰囲気を作ったほうがいいと思いますね。「ブロークバック・マウンテン」みたいにある程度広げてしまうと、ヒットの中身がどんどん薄められちゃう。あと多くの劇場側から上映したいという話が来ると思うんですよね。それをどう対処できるか。
掛尾:
 「かもめ食堂」は、実は7〜8000万円の製作費と聞いていますが、ここまで抑えたのはたいしたものだと思いますよ。ただ、こういう作品が地方でどのように受け入れられるか、もうちょっとメディアスーツが積極的にやってもいいと思うんですけどね。
大高:
 先ほど17本と言っていましたが、もしプリントを30本〜40本に増やした場合は、もう一回宣伝展開を新しくしないといけないですね。そのときに、どうもう一回仕切り直すか。メイン3人に、メディアに登場してもらうか。新たな宣伝費を使うか。とにかく「かもめ食堂」がもうワンランク上の興行になるためには、何らかの工夫をしていくことが必要だと思います。
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