キネマ旬報映画総合研究所
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映画興行対談
映画興行対談
第7回「2005年の日本映画を振り返る」
2005年興行収入ベストテン(映連発表)
1
「ハウルの動く城」
196.0
東宝
2
「劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者ルカリオ」
43.0
東宝
3
「交渉人 真下正義」
42.0
東宝
4
「NANA」
40.3
東宝
5
「容疑者 室井慎次」
38.3
東宝
6
「電車男」
37.0
東宝
7
「ALWAYS 三丁目の夕日」
32.3
東宝
8
「北の零年」
27.0
東映
9
「ローレライ」
24.0
東宝
10
「星になった少年 Shining Boy & Little Randy」
23.0
東宝
掛尾良夫
掛尾良夫
掛尾:  これまで何作品が取り上げてきましたが、ここで2005年を振り返ってみたいと思います。今邦画が元気だと言われているけれど、東宝の映画が連続して当たっているということで、全体の収入としては決して元気だとはいえないでしょう。ただ2005年は、邦画が356本も作られていて、量的には各社凄い勢いで邦画を作っているので、元気だというイメージがありますね。2004年は「世界の中心で、愛をさけぶ」が興行収入85億、「いま、会いにいきます」が48億と大ヒットが続きましたが、2005年は「交渉人 真下正義」「容疑者 室井慎次」「NANA」「電車男」「ALWAYS 三丁目の夕日」と、皆30億〜40億前後で、50億円まではいかなくなっているという傾向があると思います。安定的なヒットはしていますが。
大高:  2005年の年間興収上位10本のうち、東宝が9本で、東映が「北の零年」で1本。50億以上はアニメの「ハウルの動く城」以外ないわけです。1本あたりのヒットがバラけてきて、25〜40億ラインの作品が多数出ている。また、従来だとアニメ主導だったんですが、実写が非常に多くなってきた。例えば10本のうちアニメが「ハウル〜」を入れて2本、あと8本が実写物というのは、これまでと大きく違います。突出したヒット作品が一本かぶり現象となるのではなく、ヒットが横並び系列になってきたというのは、私は非常にいいことだと思います。まあ、それは東宝に関してのことなのですが。東宝が年間を通して満遍なく当てることができるようになった。これが2005年の大きな特色ではないかと思います。 大高宏雄氏
大高宏雄氏
掛尾:  2004年の邦画の年間興行収入は790億円でしたが、2005年はどのくらいですか。
大高:  邦画は817億円で前年対比103.4%とアップし、邦洋合わせた全体では、1981億6000万円で、前年対比94%とマイナスになっている。この10本の中身は、大雑把に言って、「踊る大走査線」が「交渉人 真下正義」と「容疑者 室井慎次」にバラけたと考えてもいいわけですね。この2本で80億くらい。相変わらずフジテレビの「踊る大走査線」系列は強いということですよね。それから「NANA」でTBS、日本テレビについても、従来はジブリが主流だったのが、実写で「東京タワー」と「ALWAYS 三丁目の夕日」がヒットした。つまり、製作主体としてのテレビ局ということで言うと、フジテレビが独占していた構図が、フジ、TBS、日テレという風にこちらもバラけてきているわけです。
掛尾:  東宝と、今あげた3つのテレビ局でしかヒットは出ていないということですね。20億前後いった「妖怪大戦争」と「亡国のイージス」は角川映画で、松竹はその2本を除くと10億以上いった実写作品は、「SHINOBI」しかないわけです。松竹にもテレビ局映画もあるけど、基本的には東宝でしかヒットは生まれていない。
大高:  東宝+テレビ局3社、それに「北の零年」とか「男たちの大和/YAMATO」のような、東映が社運をかけた作品が健闘しているという構図ですね。角川映画はその後に続いているというような傾向になっていると思います。さらに言えば、角川映画の次くらいに、「木更津キャッツアイ」や「真夜中の弥次さん喜多さん」のアスミック・エースが位置している。
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