| 大高: |
伊藤俊也監督の「プライド 運命の瞬間」という映画があったじゃないですか。あれも当時当たったと言われていて、私は「YAMATO」も「プライド 運命の瞬間」も渋谷東映で見たんですが、リアクションが全然違うわけですよ。「プライド 運命の瞬間」はエンドロール前にどんどん席を立っていたけれど、今回はほとんど最後まで帰らなかった。これは、本物だと思った。それが口コミにも通じていると思います。
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| 掛尾: |
さっきも言いましたが、今回、思想を訴えようとしてなかったのは大きいですよ。ライトな思想を出されたら、「プライド 運命の瞬間」じゃないけれど、観客がノーサンキューとなるでしょうね。
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| 大高: |
ある種の自虐主義的映画ではあると思います。戦艦大和は沈没してしまうのはほとんどの観客が知っていて、その負けることをある意味再確認しに来ている。これは、自虐性に通じるものがありますが、それだけ戦艦大和は日本人にとって、独特なものなんですね。
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| 掛尾: |
ある種の普遍的な人間の感情を描いてますよね。俳優陣では特に中村獅童が、東映の描いてきた任侠映画の主人公のような、ギラギラした魅力が溢れていました。
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| 大高: |
昔の任侠映画を含めて、野上龍雄さんや笠原和夫さんら東映の脚本家は、起伏あるドラマの中に情緒性を折りこんでいたけれど、今回はドラマをとことんシンプル化して情緒性だけをポーンと手づかみで出している感じがします。
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| 掛尾: |
ただ、「NANA」とか「電車男」は見ても満腹感はないから、次に何か違うものを見てもいいかという気になりますが、こういった大作映画は観客に大きな満腹感を与えるので、これを見ると半年くらい映画を見なくていいんじゃないかという気になるかもしれない。また、この観客層はそうたびたび劇場に足を運ぶ人たちではなさそうだし。僕が見たときは、前の席に50代のサラリーマンのふたり連れという、ほとんど映画館では見ることのできないカップルも来ていましたからね。
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