キネマ旬報映画総合研究所
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映画興行対談
映画興行対談
第5回「ALWAYS 三丁目の夕日」と「カーテンコール」
ALWAYS 三丁目の夕日 カーテンコール
配給会社: 東宝
製作会社: 日本テレビ、ROBOT、小学館、バップ、東宝、電通、読売テレビ、読売新聞、白組、IMAGICA
監督: 山崎貴
公開日: 2005・11・5
配給会社: コムストック
製作会社: シネムーブ、コムストック、日本テレビ、衛星劇場、ジャパンホームビデオ、マックス・エー、バップ、カルチュア・パブリッシャーズ、山口放送、コード
監督: 佐々部清
公開日: 2005・11・21
「ALWAYS 三丁目の夕日」プログラムピクチャーの再来?
大高宏雄氏
大高宏雄氏
大高:  今日は、「ALWAYS 三丁目の夕日」のヒットを考えるのと同時に、同じく「昭和30年代もの」という括りで、「カーテンコール」という作品を取り上げてみたいと思います。というのも、今、昭和三十年代回帰というような流れが日本映画の中にポイントとして出てきているのではないかと。次の北野武作品も昭和三十年代のファミリーものだそうですし。
掛尾:  「ALWAYS 三丁目の夕日」は、驚くほど口コミが良かったですよね。数字的には、現時点で22億円。最終見込みも、25億円くらいじゃないでしょうか。僕は昔から『ビッグコミック』は読んでいたんだけど、あの連載のほのぼの感がゆるくて読み飛ばしていたんですね。だからあれを映画化すると聞いた時に、お客さんが来るのかなあと思った。作品を見て、昭和時代をモチーフに、こういうアプローチがあるのかと脱帽しましたね。 掛尾良夫
掛尾良夫
大高:  この作品は去年の12月に、東宝がラインナップ発表をやったときに入っていて、私は掛尾さんとは逆に、ちょっとひっかかるものがありました。原作は全然知らなかったんですが。駄菓子屋やら「ラーメン博物館」やら、ここ数年、色々なレジャー施設における、昭和の町の再現が頻繁にあるわけですよね。それが頭にあったのでこの「ALWAYS 三丁目の夕日」の企画も、何か可能性があるんじゃないかと個人的には感じていました。
掛尾:  ベースにあるのは単なる郷愁なのだけれど、それを普遍的な人情ドラマに仕立てている、その仕立て方が凄いと思いました。映画を見てしみじみ思ったのは、これは本来「寅さん」が終わった松竹が企画するべきものだなと。
大高:  そこはポイントですよ。「寅さん」云々もわかるし、とにかくこれはシリーズ化すべきではないか? つまり、この作品は、往年のプログラムピクチャーのシリーズものを想起させるんですよ。吉岡秀隆をメインに、とにかく人情ドラマになっていて、其々のキャラクターもきちんと作られている。その背景に昭和三十年代の町並みの風景があって……。
掛尾:  この作品では昭和の世界観が描かれ、そこにエピソードの断片がある。従来のようなドラマから発想しない人たちの作った映画=世界観を作り、そこにエピソードを置いていく。松竹が、もし「寅さん」の後にこういう人情ドラマを作ったとすれば、例えば森崎東監督や前田陽一監督で、松竹の典型的なコメディ風に作られた場合、やはり作家性のあるドラマになっていたでしょうね。
大高:  もちろん今回ドラマも作っているんだけど、ひとつひとつのドラマがそんなに濃くない。
掛尾:  そこに、ヒット作を作る貪欲さ、観客が何を求めているかということに対する貪欲さを感じます。
大高:  ただ結果、こういう映画になったけれど、作り手は「寅さん」路線を狙っていないと思うんですよね。東宝はこれまでにも、「ALWAYS 三丁目の夕日」の製作会社であるROBOTと組んで、CG技術の優れたものを当てようと、試行錯誤しながら何作もやってるわけです。CGを使ってもうまくいかないものはいくつもあって、例えば「リターナー」。だから今回は、題材を変えたなかで、CG映像の可能性を追求した感じがします。
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